北九州漫画ミュージアム

ひとことブログ

2014年03月24日
スイスの漫画家コゼ先生 トークショー開催

学芸員の郷田です。

3月も終わりに近づき、寒さも和らいできましたね。福岡の桜の開花宣言も出され、春がきたという感じですね。

 

そんな春を感じ始めた 3月17日当館イベントコーナーで、スイスの漫画家 コゼ先生をお迎えしてのトークショーを開催しました。

 

このトークショーは、アンスティチュ・フランセ九州主催のイベントとして当館で行われたもので、昨年のフレデリック・ピーターズ先生のトークショーに引き続き2度目の開催となりました。 

コゼ先生は、世界中を旅してその体験を作品にしてきたBD作家で、主人公が世界を旅するシリーズ作品「Jonathan(ジョナタン)」で広く知られています。トークショーでは、福岡在住のフランス人BD作家であるヴァンサン・ルフランソワ先生からの質問に答える形で、作画やストーリーについてのお話を伺いました。

ポストイットで貼り出してからストーリー展開を考え、ストーリーが固まったところで作画を開始する、という作品作りの手順や、登場人物についてなど、具体的な話を伺いました。

取材先では、写真も撮るということでしたが、主にはその場でイラストを描き、目に映るものの中で残したい部分だけを残すという形で描いている、というのが印象的でした。描いているものの中には、実在のものもあれば、そうでないものもあり、旅を通じて感じたことを取捨選択しながら作品をつくりあげているそうです。また、多くのBD作家のように、アシスタントなしで一人で、一日7時間程度は作画に励んでいるということでした。

2011年には、日本を舞台としたシリーズ第15巻「Atsuko(アツコ)」を発表されており、飛騨高山なども描かれています。

また、先日はインドへ取材に行かれたそうです。

このように、世界中を旅しながら、そこで見たものを元に作品を生み出しているということでした。

 

今回、福岡では、太宰府天満宮や志賀島などの取材も行ったとのことで、今後九州の風景や人物が描かれた作品が登場することも期待できそうです。

日本語での翻訳版は発行されていませんが、近い将来、発行できるよう、日本の出版社と交渉予定というお話もあり、今後の展開も楽しみなところです。

当日は、たくさんのお客様にご来館いただき、フランス語が飛び交う中、日本の漫画とは一味違うBD(バンドデシネ)の作品の魅力ついて感じられるトークショーとなりました。