ひとことブログ

2020年07月09日
(299)漫画ミュージアムの舞台裏② 雑誌は何のために集める?

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第299回
『西日本新聞』北九州版 2020年4月19日(日)朝刊 14面掲載

漫画ミュージアムの舞台裏② 雑誌は何のために集める?

 今週は先週から引き続き、漫画ミュージアムの舞台裏をご紹介しましょう。前回は学芸資料の「原画」について取り上げましたが、今回は同じく学芸資料の「雑誌」についてお話しします。
 私たちが主に収蔵しているのは、北九州市ゆかり作家の作品が掲載されたマンガ雑誌です。原画に比べるとひとつひとつがかさばり、膨大な数になるため網羅的には収集できていませんが…それでも、恒久保存を目指す学芸資料として扱っています。それはなぜでしょうか?
 第1に、雑誌が持つ情報が重要だからです。作品がはじめて発表される場だからこそ、読み取れる情報がふんだんにあります。たとえば、雑誌に掲載された作品が単行本に収録されるとき、絵を加筆修正したり、セリフを差し替えたり…といった変更はよくあることです。変更点は原画から読み取れないことも多く、その場合雑誌が唯一の根拠になります。
 他にも、雑誌を構成する他の作品や読みもの・広告などから、作品が制作された当時の雰囲気や社会情勢・流行を捉えることもできますし、作者や編集者のコメント、読者からのおたより、作品の魅力を伝える文章やメディアミックス化などの関連情報は、雑誌上でしか確認できないもの。このように、雑誌一冊に、作品を深く理解するための情報がたっぷりと詰まっているのです。
 休館中の当館では、雑誌を含め、出版物資料約2千点の大規模な整理作業を進めています。分類して箱に収めつつ、写真を撮り、リストを作成する—この地道な作業が、今後の作品研究に活きてくるはずです。(学芸員・石井茜)
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