ひとことブログ

2020年07月31日
(313) 門司区出身の漫画家・たーし 地元色濃厚な人間ドラマ

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第313回
『西日本新聞』北九州版 2020年7月30日(木)朝刊 19面掲載

門司区出身の漫画家・たーし 地元色濃厚な人間ドラマ

 社会秩序の外側にいる「アウトロー」は、日本マンガの代表的なモチーフです。かつての「番長」や「ヤンキー」、最近では「海賊」なども。日本の大衆文芸は元々、国定忠治や清水次郎長らアウトローの人間模様を好んで描き、「股旅もの」として長く親しまれました。マンガはその末裔と言えます。
 アウトローの物語が人を魅了するのは、既成の社会秩序でなく独自のルールで生きるが故に、かえって「義理」に厳しく縛られ、人間的な感情の表出「人情」との板挟みで濃密なドラマが生まれるからでしょう。行いの是非は別として、その人間臭さが読者の共感を呼ぶのです。
 北九州市門司区出身の漫画家・たーし先生も、地元を舞台にそんな人間ドラマを描き続けています。ちょっと怪しげな中古車販売業の青年・原田朝男こと「アーサー」の奮闘を描いた「アーサーGARAGE」(2002年~10年)。破天荒な中年ヤクザ・沢田マサトシこと「ロケマサ」が、人間離れした腕っぷしで大暴れする「ドンケツ」(11年~第2部連載中)。
 アーサーは、だらしない所もあるけれど、面倒見のよい人情家。ロケマサは、ケンカが何より好きで、義理人情のかけらもないようでいて、時折、不器用な優しさや義侠心をふと覗かせます。
 そんな魅力的なキャラクター達が見慣れた風景の中で行きかい、地元の言葉でやりあいながら繰り広げる大活劇。マンガの醍醐味が詰まった骨太の作品ですが、舞台の北九州で読むとひときわ味わい深いですよ。
(専門研究員 表智之)
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