北九州漫画ミュージアム

ひとことブログ

2020年07月30日
(310)北九州市出身の漫画家 高倉みどり 貝原益軒をコミカルに

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第310回
『西日本新聞』北九州版 2020年7月9日(木)朝刊 19面掲載

北九州市出身の漫画家 高倉みどり 貝原益軒をコミカルに

 

 気温が高い日も増えてきましたが、いかがお過ごしでしょうか。今回はリイド社の『コミック乱』という時代劇漫画誌で活躍する高倉みどり先生の近況のご紹介です。
 高倉先生は北九州市出身の漫画家です。料理漫画「旬~味彩の匠~」や人々の行動や心の動きをひもといていく「平松っさんの心理学」など、講談社で作品を発表してきました。
 今年の『コミック乱』6月号で始まった「養生しんしゃい!!~貝原益軒の人生訓~」は、福岡藩士だった江戸時代の儒学者、貝原益軒(かいばらえきけん)を主人公とした不定期連載です。彼が1713年に経験にも即して著した『養生訓』は広く読まれたといいます。長寿を保ったこの武士を、高倉先生は自由で勢いのあるキャラクターとして登場させました。初回は不摂生な生活の続く福岡藩の武士に、健康法を破天荒なやり方で勧めるというコミカルなストーリーで、先生によると「第2話は福岡城むかし探訪館での取材を元に現在制作中です」とのことです。
少しさかのぼって2019年には約9か月間にわたり集英社クリエイティブ『officeYOU(オフィスユー)』で「120年後の約束」を連載している高倉先生。その後には同誌で「花になる。」という読み切りも発表。女性誌・青年誌とを問わず「端正」と表現したくなるような美しい描線を持ち、縦横無尽に活躍する高倉先生のお仕事をぜひご覧ください。また9月6日からは講談社の漫画アプリ・WEB「コミックDAYS」で「ラブゼミ~上野教授の恋愛講義~」の連載が始まります!

(学芸研究員 柴田沙良)

=Links=

『月刊オフィスユー』公式サイト(集英社クリエイティブ) http://officeyou.shueisha.co.jp/

講談社漫画アプリ・WEB https://comic-days.com/

リイド社公式サイト https://www.leed.co.jp/

※『コミック乱』2020年9月号は7/27より発売[第2話掲載]