北九州漫画ミュージアム

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2020年07月02日
(305)北九州市出身 せきやてつじ氏 寿司職人の世界を描く

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第305回

『西日本新聞』北九州版2020年5月31日(日)朝刊 16面掲載

北九州市出身 せきやてつじ氏 寿司職人の世界を描く

北九州市にゆかりのある漫画家はおよそ100人におよびます。その中で今回は、せきやてつじ先生についてご紹介しましょう。

せきや先生は北九州市出身。2000年に「ジャンゴ」(原案・木場功一/講談社)で連載デビュー。「おうどうもん」(竹書房)を発表後、「バンビ~ノ!」(小学館)を連載し、第53回小学館漫画賞を受賞しました。

イタリア料理の世界を描いた「バンビ~ノ!」から7年。現在、漫画アプリ『マンガワン』で寿司職人の世界を描いた「寿エンパイア」を連載。単行本は2巻まで発売中です。

幼い頃からハワイの海と魚に親しんで育った主人公・松田湧吾は、亡き母親が握った寿司を超えるため、ネット動画を参考に独学で寿司の握り方を学びました。ある日、パーティー会場で出会った鶴岡朝里(あさり)を通じて、かつて母親が働いていた東京の老舗寿司「華山(かざん)」へ行くことになり、そこで出会った四代目・華山剣蔵の寿司に感動して、弟子入りをします。しかし、剣蔵に老いの影が忍び寄り、湧吾は「寿司帝国」で熾烈な後継者争いに巻き込まれていく、というストーリーです。

華山で修業を始めた湧吾を待ち受けていたのは、先輩たちからの壮絶なパワハラやいじめでした。しかし、そんな環境でも湧吾は母親の「辛い時は笑え」という言葉を思い出して立ち向かいます。理想の寿司職人を目指して突き進む湧吾の姿は勇敢で、応援したくなる魅力があります。果たして、湧吾はこの苦難を乗り越え、熾烈な争いを生き残ることができるのか、続きが気になる作品です!

家で過ごす時間が長くなる中、おうち時間を楽しく過ごす方法の1つとして、北九州市ゆかりの作家の漫画に触れてみませんか。お寿司が食べたくなったらぜひお店へ!飲食店を応援しましょう♪

(図書担当 原田佳織)

=Links=

◆せきやてつじ「寿エンパイア」試し読み/『裏サンデー』(小学館)

◆漫画アプリ「マンガワン」(小学館)