北九州漫画ミュージアム

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2020年08月13日
(314)門司出身・関谷ひさし展開催中 マンガ原稿200点超紹介

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第314回
『西日本新聞』北九州版 2020年8月6日(木)朝刊 19面掲載

門司出身・関谷ひさし展開催中 マンガ原稿200点超紹介

 

 漫画ミュージアムでは門司出身のマンガ家・関谷ひさし先生(1928年生まれ~2008年没)の企画展を開催中です。『冒険王』や『少年』など当時人気があった少年月刊マンガ誌に連載を持ち、『少年サンデー』や『少年キング』など週刊マンガ誌にも作品を掲載するなど、月刊誌から週刊誌へと少年マンガ界が急速に拡大する黄金時代に活躍しました。

 人気作家ともなると何本もの連載を抱えて多忙を極めるものですが、代表作「ストップ!にいちゃん」は自分にとって「オアシス的な存在」で「描いていて肩のこらない作品だった」とのこと。「いろいろな登場人物が執筆中の原稿の中で私の疲れをいやしてくれた」と『「少年」傑作集』(3巻、光文社編)の中の寄稿で振り返っています。

 ちなみにスポーツ万能で猪突(ちょとつ)猛進な主人公・勇一の愛犬はいつも飼い主にもの言いたげな表情で描かれていますが、関谷先生も実際に犬を飼ってかわいがっていました。「王さまと私」や「愛犬クマ」、「ケンとすてきな仲間」など犬が登場する作品も複数発表しています。

 展示ではご家族からお預かりしているマンガ原稿を200点以上掲載誌とともに紹介しています。新聞社勤めで鍛えられたマンガ家らしく、ベタ(黒い塗りつぶし)と白抜きの配分や画面構成が巧みで、センスの良い言葉遣いが印象的な関谷先生の作品をぜひご覧ください。

(学芸研究員 柴田沙良)