2025年07月09日
(547)『バガボンド』には小倉城が登場 作品片手に散策いかが
★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★
連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第547回
『西日本新聞』北九州版 2025年7月6日(日)朝刊 16面掲載
『バガボンド』には小倉城が登場
作品片手に散策いかが
北九州市と山口県下関市を隔てる関門海峡は、古来より交通の要衝であり、数々の歴史の舞台となってきました。
1185年に起きた源氏と平家の最後の戦いもその1つ。関門海峡を一望できる和布刈公園(門司区)では、壇ノ浦合戦の絵図が巨大な壁画となってこの地の歴史を刻んでいます。
関門海峡ミュージアム(同区)では、壇ノ浦の戦いを含む、関門海峡の歴史や文化などを学ぶことができます。全国の特色ある博物館をまとめたコミックエッセー『推し博物館 ひとり旅』(明(みん)/集英社)の中では、門司港周辺の街並みと施設の見どころが紹介されています。著者による感動ポイントもまとまっているため、読後に街を歩いてみると、いつもとは違った歴史の重みを感じる景色が見えてくるかもしれません。
また関門海峡に浮かぶ船島(巌流島)には、宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘が行われたとの伝承があります。小倉北区の手向山公園には、武蔵の顕彰碑(1654年)と小次郎の顕彰碑(1951年)があり、毎年4月には「武蔵・小次郎まつり」が開催されています。
そんな北九州とも縁の深い宮本武蔵を主人公とした『バガボンド』(井上雄彦、原作・吉川英治『宮本武蔵』/講談社)では、武蔵が数々の武芸者と剣を交え、剣豪として成長していく過程が繊細かつ迫力のあるタッチで描かれています。小倉藩が登場する回では、「小倉城」や「常盤橋」など、おなじみのスポットも登場します。
さて今回は、北九州市の歴史を感じさせる作品を紹介しました。ぜひこの機会に、北九州の歴史を物語るスポットを散策してみてはいかがでしょうか。
(図書担当 原田佳織)