2025年10月22日
(562)国際交流、22~25日は作画実演も 韓国のマンガ家が来訪
★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★
連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第562回
『西日本新聞』北九州版 2025年10月19日(日)朝刊 20面掲載
国際交流、22~25日は作画実演も
韓国のマンガ家が来訪
日本と韓国のマンガには共通点も多いのですが、産業構造には大きな違いがあります。韓国は1990年代後半の金融危機で出版市場が大きく縮小し、インターネットメディアがマンガ掲載の新たな舞台となったのです。パソコンの画面で見やすいよう、コマを縦につなげた「ウェブトゥーン」のスタイルも生まれました。
その結果、韓国ではマンガ家の独立性が高まりました。出版社の編集者と共同作業で作品を制作してきた日本と異なり、韓国のネットメディアは制作には関与しません。その代わり、掲載作品の収益をマンガ家に還元する分配率が日本と比べて高く設定されています。
その独立性から韓国のマンガ家は、各種イベントや社会事業に参加して活動の幅を広げるセルフプロデュースの手腕も求められます。北九州市漫画ミュージアムでは、韓国・釜山の「釜山情報産業振興院」と提携して、日韓のマンガ家交流を手がけてきましたが、アクティブな韓国作家のエネルギーにはいつも感嘆させられます。
今月15日から28日まで、釜山文化財団の釜山文化芸術支援事業「芸術企画支援 レジデンシー活性化<アジアの扉を開く>」の一環として3人の韓国作家が北九州を訪れ、日本作家と交流します。
22日(水)から25日(土)までは、午後2時から6時の間に参加作家が随時来館して、大きな画面に絵を即興で描く「ライブドローイング」を実施。こういったパフォーマンスは、韓国のマンガ家が得意とするところでもあります。通訳も常駐しますので、ぜひ立ち寄って、皆さんも交流してみてください。
(学芸担当係長 表智之)
=参加作家=
韓国:남정훈/ナムジョンフン、김태영/キムテヨン、황가은/ファンガウン
日本:アスナショウコ、大城日咲[おおしろひさき]、慧亮来[けいあきら]、田中時彦
=MEMO=
ライブドローイングは22日(水)~25日(土)の午後2時~6時の間に、北九州市漫画ミュージアム6階イベントコーナーで実施。休憩時間あり。常設展入場料(一般480円ほか)が必要。