北九州漫画ミュージアム

ひとことブログ

2026年03月19日
(581)特集コーナーを開設中 「漫画家漫画」ご覧あれ

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★
連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第581回
『西日本新聞』北九州版 2026年3月15日(日)朝刊 24面掲載
特集コーナーを開設中 「漫画家漫画」ご覧あれ

 漫画家を主役に描く「漫画家漫画」。自分の人生や業界のリアルを描いたエッセーや漫画の道を進む人々を描いた物語など数多く出版されています。今回は、そんな漫画の世界を描いた「漫画家漫画」をご紹介します。

 『夫の遺言が「同人誌描け」だったもので』(むんこ/星海社)は、夫の遺言をきっかけに、35年ぶりに同人(自費出版)活動を再開することになった主人公と、それを支える子どもたちによるほのぼのコメディー。長年のブランクに戸惑いながらも、復帰しようと奮闘する主人公の姿が描かれています。
 テンポよく進む4コマには、「好き」を形にする喜びだけでなく、創作の難しさも散りばめられています。同人誌制作の醍醐味が詰まった作品です。

 『あだち勉物語~あだち充を漫画家にした男~』(ありま猛/小学館)は、『タッチ』などで知られるあだち充の兄で、ギャグ漫画で活躍したあだち勉を中心に、1970年代に漫画に人生を懸けた男たちの青春をつづった群像劇です。著者があだち勉に弟子入りした年から始まり、過去の回想を交えながら物語が展開。時代の違いを鑑みてもなお破天荒だけれども、多くの人に愛されたあだち勉の姿が温かなタッチで描かれています。
 荒唐無稽なようで実話をベースとしたエピソードの面白さもさることながら、当時の執筆現場の舞台裏が明かされているのも本作の魅力です。

 現在、北九州市漫画ミュージアムの閲覧ゾーンでは、「漫画家漫画」を紹介する特集コーナーを展開中です。漫画家が描くからこそ伝わるリアルな世界、ぜひご覧ください。

(図書担当・原田佳織)