北九州漫画ミュージアム

ひとことブログ

2026年08月05日
(601)「パンダコパンダ」11日に上映会 時代を超える楽しさ

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★
連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第601回
『西日本新聞』北九州版 2026年8月2日(日)朝刊 16面掲載

「パンダコパンダ」11日に上映会 時代を超える楽しさ

 いよいよ始まった「パンダコパンダ展」。夏休みということもあり、連日たくさんの来場者でにぎわっています。「パパンダ」や「パンちゃん」といった、作中に登場するキャラクターたちに彩られた展示室の中で、楽しそうな子どもたちの姿も印象的です。

 今から54年前の1972年に劇場公開された本作ですが、令和の子どもたちの心を掴んでいるのが会場の様子からありありと伝わってきます。もちろん、公開当時の子どもたちも、パンダの親子と元気な少女の明るくゆかいな物語を大変楽しんでいました。エンディングで主題歌の「ミミちゃんとパンダコパンダ」が流れると、みな初めての鑑賞にも関わらず大合唱が起こったという逸話もあり、高畑勲・宮﨑駿・大塚康夫・小田部羊一といった製作陣が口をそろえて「驚きとうれしさで感動した」と語っています。

 彼らの述懐によると、当時の「売れる」子ども向けアニメーションの定説は「刺激的で騒がしい派手な作品」でした。それらと比較するとのんびりとした雰囲気で、日常生活の中にあるワクワクを描く「パンダコパンダ」は人気が出るわけがないと、なかなか企画書が通らなかったといいます。その状況を一転させたのが「中国からパンダがやってくる」というニュースでした。作品は短期間で、しかし製作陣の熱い思いをもって作り上げられ、劇場で子どもたちを大いに喜ばせたのです。

 今月11日、北九州市立子どもの館で「パンダコパンダ」の上映会を行います。この機会に、本作が持つ普遍的な楽しさをぜひご体感ください

(学芸員・石井茜)

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