ひとことブログ

2021年08月11日
(350)BEASTARS展 大ヒット作の世界を紹介

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第350回

『西日本新聞』北九州版 2021年6月17日(木)朝刊 17面掲載

BEASTARS展 大ヒット作の世界を紹介

 漫画ミュージアムでは板垣巴留(いたがきぱる)先生の漫画『BEASTARS』(ビースターズ)の原画展を7月10日から開催いたします『BEASTARS』は擬人化された肉食獣と草食獣が共存する架空の世界を舞台に、重層的に青春を描く作品です。週刊少年チャンピオン(秋田書店)で連載中に文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞や手塚治虫文化賞新生賞など漫画賞を次々に受賞し、アニメ化もされ累計500万部の大ヒットとなりました。

 主人公は中高一貫制の学園に通う「ハイイロオオカミ」のレゴシ。迫力のある顔つきと体格ですが、地面に咲いている可憐(かれん)な花を踏まないようにひょいとよけたり、いさかいを好まない様子を見せたり、なんとも温厚な性格です。作品では社会的に共存が定められているものの、本能から言えば食べ、食べられる対極的な立場にある肉食動物と草食動物のあらゆる争いや、それぞれの悩みと喜びが連載の約5年間を通してじっくり描かれました。レゴシは文字通り血を流し傷つき、厳しい道をたどり周囲も巻き込みながら「異種族交流」のやり方を体得していき、最終話ではハッピーエンドを迎えます。

 展示ではデジタル技法を使用せず描き上げた、一枚の絵として見ても美しい板垣先生の原画をカラーイラストも含めご紹介します。ゲストキュレーター・鈴木紀成氏の様々な視点からの解説をナビゲーションに、板垣先生の緻密な作業の積み重ねをご覧頂ければと思います。また、北九州限定の展覧会関連グッズも販売します。どうぞお楽しみに。

(学芸研究員 柴田沙良)