北九州漫画ミュージアム

ひとことブログ

2023年11月09日
(464)閲覧ゾーンに特集コーナー 秋の夜長にミステリー

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★
連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第464回
『西日本新聞』北九州版 2023年11月5日(日)朝刊 16面掲載
閲覧ゾーンに特集コーナー
秋の夜長にミステリー

 秋になり夜が長く感じられるようになりました。今回は秋の夜長を楽しむのにぴったりなミステリー作品をご紹介します。

 『探偵犬シャードック』(佐藤友生・漫画、安童夕馬・原作/講談社)は、シャーロック・ホームズの生まれ変わりである子犬・シャードックと飼い主の高校生・輪島尊(わじま たける)が、身の回りで起きる難事件を解決していく本格推理ミステリー。

 この作品では、基本的にシャードックが犯人を目撃している状態で物語が展開される「倒叙形式」が用いられています。ただし犬であるシャードックは目撃者にはなれず、また犯人には完璧なアリバイがあるため、尊はシャードックの頭脳を借りながら証拠を集めていきます。トリックやアリバイを崩し、犯人を追い詰めていく爽快感を味わえる作品です。

 また、意外なものが事件解決の糸口となるのは『冷蔵庫探偵』(佐藤いづみ・漫画、遠藤彩見・原作/徳間書店)。その名のとおり冷蔵庫をのぞいて事件の真相を解明する主人公・レイコの活躍が描かれています。

 冷蔵庫の中身は持ち主の性格が表れるとはいいますが、レイコは食材や配置、あるいは開封状況などから、環境や心理状況をプロファイリングし、事件の真相を突き止めていきます。読後は自宅の冷蔵庫がどんな状況か確認したくなるかも。

 「ミステリー」と一言で言っても、本格派から日常の謎に迫るものまでジャンルはさまざまです。北九州市漫画ミュージアムの閲覧ゾーンでは、ミステリー作品を紹介する特集コーナーを設けています。ぜひこの機会にお気に入りの作品を探してください。

(図書担当 原田佳織)