北九州漫画ミュージアム

ひとことブログ

2023年10月23日
(461)重複する漫画本 他施設に寄贈して活用

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第461回

『西日本新聞』北九州版 2023年10月15日(日)朝刊 16面掲載

重複する漫画本
他施設に寄贈して活用

 北九州市漫画ミュージアムでは市内の関係各所と連携して漫画を活用した様々な取り組みを行っています。その中で近年少しずつ形になってきているのが「重複資料活用」の試みです。

 重複資料の活用については、当館を含め、多くの漫画施設で直面している課題の一つです。単行本や雑誌は印刷物ですから、全国の読者が同じものを重複して持っています。古書店などを通じて読者の間を回っていくものも多いのですが、中には「大切に集めた本を何とか活用してほしい」とミュージアムにご相談いただくケースも少なくありません。しかし、当館も収蔵量の限界があるため、重複した資料を受入れることは困難なのが現実です。

 とはいえ、大切な資料が失われていくのを見過ごせないので、これらの本を活用し、市民の皆さまに身近に漫画を楽しんでいただけるよう、市内の施設などに漫画を再寄贈し、活用してもらう道を模索しています。例えば昨年末には、北九州市立大学図書館に約千三百冊の寄贈を受け入れてもらい、漫画コーナーで運用されています。

 今月新たに北九州市立ユースステーションにも当館の漫画を利用した漫画本コーナーが設置されました。これは、学生たちが施設に足を運び、本を読むきっかけになってほしいと相談を受けたことで実を結んだ取り組みで、学生が楽しめるような明るい作品や、学びにつながるような漫画を選書して寄贈しました。
これからも様々な縁で寄贈のご相談があると思います。それらをただお断りすることにならないよう、今後も活用の道を探し続けていきたいと思います。

(図書担当 田中千尋)

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