北九州漫画ミュージアム

ひとことブログ

2023年10月23日
(462)北九州市が舞台のサッカー漫画 プロの厳しさがテーマ

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第462回

『西日本新聞』北九州版 2023年10月22日(日)朝刊 18面掲載

北九州市が舞台のサッカー漫画
プロの厳しさがテーマ

 

  野球やサッカーなどプロスポーツのシーズン終了が近づいてきました。チームの成績だけでなく、プロの場合は選手個人の実績も気になるところ。来季も契約が更新されるのか? 年俸やポジションは?など、今後のチーム編成に関わるからです。

 ファンも気をもみますが、選手本人には人生を左右する一大事。懸命に実績をアピールするものの、チーム経営陣も限られた予算の中でシビアに査定せざるを得ず、両者の駆け引きはシーズン以上に「熱い」とも言われます。

 明日(10月23日)発売の『ヤングマガジン』第47号(講談社)で連載が始まるプロサッカー漫画「ナリキンフットボール」は、プロのそんな厳しさを描きます。ゴールキーパー前で味方の守備をリードし、「守りの要」と言われるセンターバックを務めるプロ選手・我王(がおう)は、素早い判断と的確な指示でチームの優勝に貢献。ところが経営陣の評価は低く、「金にならない奴とは契約しない」と解雇されてしまいます。

 観客から見て目立たず、自身で得点を上げるわけでもない、そんなポジションでの「実績」を正当に評価させられるのか? 我王の戦いは、ゴール周辺に注目が偏りがちなサッカー界を変える戦いでもあります。

 この作品、実は北九州市が舞台で、地元サッカークラブ「ギラヴァンツ北九州」ともコラボを展開中。市出身の漫画原作者・清水海斗(かいと)先生が、入念な取材とあふれる地元愛で、初の連載に挑みます。「きんぼし」で相撲を、「二瘤駱駝(ふたこぶらくだ)」(原作・雨中恭)でボクシングを描いた明石英之先生が入魂のペンで描き出す、熱くシビアな戦いをどうぞお楽しみに!

(学芸担当係長 表智之)

 

=LINK=
清水海斗・明石英之「ナリキンフットボール」

 (講談社『ヤングマガジン』公式サイト)

※第1話無料公開中