ひとことブログ

2020年12月24日
(328)江口寿史のRECORD展 美しいイラストとその舞台裏

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第328回
『西日本新聞』北九州版 2020年11月26日(木)朝刊 19面掲載

江口寿史のRECORD展

美しいイラストとその舞台裏

 「すすめ!!パイレーツ」(1977~80年)や「ストップ!!ひばりくん!」(81~83年)などのギャグ作品で知られる漫画家・江口寿史は、80年代半ばからイラストレーション作品も盛んに手掛けるようになりました。洗練された線で描かれる美女・美少女に特に定評があり、現在も、熊本県水俣市のデザインマンホールなど幅広く活躍しています。
 また、国内外のポップスやロックミュージックに造詣が深く、漫画作品にも最新の音楽やミュージシャンをパロディ的に取り入れてきたこともあり、CDアルバムのジャケットアートを多数手掛けています。
 今春、92年から2020年までのジャケットアート作品を集めた画集『RECORD』が河出書房新社から刊行されました。懐かしいLPレコードサイズの大判印刷で、プラスチック製のパッケージを使って図柄を入れ替えながら部屋に飾って楽しめる、工夫をこらした画集です。
 この画集の刊行を記念した展覧会を、28日から北九州市漫画ミュージアムで開催します。鉛筆による肉筆下絵を完成した画集と合わせて展示し、制作の舞台裏もご紹介。鉛筆画の段階では複数引かれて一種のブレがあった描線を、下絵をスキャンしPCに取り込みデジタルで清書する際に、下絵の描線の中から「ここしかない」という一本を絞り込み、絵を研ぎ澄ませていく過程がお分かりいただけます。
 さらに「音楽を扱った漫画作品」にも焦点を当てて、貴重な肉筆原画を中心に約80点、じっくりとご覧いただきます。江口寿史のセンスと技の冴えを、ぜひお楽しみください。

(専門研究員・表智之)

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