ひとことブログ

2021年08月11日
(354)BEASTARS展開催中 緻密な作業 世界観感じて

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第354回

『西日本新聞』北九州版 2021年7月29日(木)朝刊 20面掲載

BEASTARS展開催中 緻密な作業 世界観感じて

 漫画ミュージアムでは現在、若手漫画家・板垣巴留(ぱる)先生の漫画「BEASTARS(ビースターズ)」の世界観をくまなくご紹介る企画展を開催中です。「BEASTARS」はオオカミやシカ、ウサギ、イヌなど擬人化した肉食獣や草食獣が入り混じって暮らす街を舞台に、主人公の成長や恋愛を描く作品です。『週刊少年チャンピオン』誌上での第1話から最終話までを網羅しつつ、重要な場面を中心に直筆原稿を展示しています。

 展示では板垣先生が過去に語られたコメントも見ながら、じっくりご覧いただけるようになっています。印刷物では白・グレー・黒の細かなグラデーションになっている部分が、実際に原稿を見るとスクリーントーンの重ね貼りで緻密に仕上げられているなど、フルアナログで描く板垣先生ならではの作業により奥行きのある画面が作り出されていることが分かります。

 カラーについては、「最近はアクリル絵の具もよく使っています。水彩みたいにぼかしでごまかしが効かないし、意外と技術が必要です。その分、かすれや塗り残しが映えるので、みんなが『おっ』て見てくれるような絵になるんですよね。アクリルは絵の具の重なって盛り上がってるのが分かるので、より原画感があります。」とのこと。

 「BEASTARS」連載終了後も同様の世界観を舞台にした「BEAST COMPLEX」が不定期に掲載されています。アニメも2クールまで放送され、さらに新章制作も発表。全く別の物語「SANDA」の新連載も始まりました。ぜひご注目を!

(学芸研究員  柴田沙良)