北九州漫画ミュージアム

ひとことブログ

2021年10月08日
(362)小説やアニメが原作 「コミカライズ」で美しく

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第362回

『西日本新聞』北九州版 2021年10月7日(木)朝刊 18面掲載

小説やアニメが原作 「コミカライズ」で美しく

 近年、小説やアニメなどを原作とした「コミカライズ」のマンガ作品が多く見られるようになりました。そこで今回は、北九州ゆかりの作家、葛井美鳥(ふじいみとり)先生が作画を担当している作品をご紹介します。

 ウェブマンガ誌「COMIC BRIDGE」にて連載中の『執筆中につき後宮ではお静かに』(漫画・葛井美鳥、原作・田井ノエル/KADOKAWA)は中国風の後宮を舞台に描かれた謎解きミステリー。小説家を目指す主人公の青楓(せいふう)は、自室に引きこもることができるという理由で後宮入りし、朝儀にも参加せずに日々、執筆にいそしんでいました。ある夜、原稿の応募のために後宮内を歩いていたところ、謎の襲撃者たちに遭遇します。襲われそうになった青楓を間一髪で救ってくれたのは皇帝の紅劉(こうりゅう)で…。

 小説が原作の本作ですが、葛井先生の手によってキャラクターはもちろん、衣装や装飾に至るまで一つ一つ丁寧に、そして美しく描かれています。キャラクターの魅力がさらに増すような、オリジナルのストーリー展開も追加されています。

 さて、青楓はさまざまな文献を読み漁り、「愛書妃(あいしょひ)」と呼ばれるほどの変わり者です。リアリティを求めすぎるが故に文才は皆無ですが、その知識を紅劉に買われ、後宮で起きた不審死事件の調査を命じられます。執筆の平穏を条件に渋々、了承した青楓は果たして事件を解明できるのでしょうか?また青楓の小説は完成し、世紀の傑作となるのか…、愛憎渦巻く後宮から目が離せません!

(図書担当 原田佳織)

 

=MEMO=

葛井美鳥先生は、ボーイズラブやロマンス系を中心に漫画やイラストを手掛けています。主な作品は『失恋マニア』シリーズや『四号×警備』シリーズ。2020年からウェブサイト「ねこねこ横丁」にて、保護猫を迎え入れるために奔走する猫好き男子を描いた『ねこ活男子!~保護猫と暮らしたいだけなのに~』も連載中です。

 

=LINK=

『COMIC BRIDGE』公式サイト(KADOKAWA)

「執筆中につき後宮ではお静かに」(KADOKAWA『Comic Walker』)
        ※第1話など無料公開中