北九州漫画ミュージアム

ひとことブログ

2021年09月02日
(356)文部科学大臣賞 「起き上がりこぼし」活動に

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第356回

『西日本新聞』北九州版 2021年8月26日(木)朝刊掲載

文部科学大臣賞「起き上がりこぼし」活動に

 

 東日本大震災の被災地への応援活動として、海外と国内で展開されてきた「起き上がりこぼしプロジェクト」が、漫画家の全国組織である日本漫画家協会の本年度の文部科学大臣賞を受賞しました。プロジェクトの意義とともに、発起人のお一人で昨年逝去したファッションデザイナー高田賢三さんの追悼も込めての受賞となりました。

 このプロジェクトは震災発生後に被災地の状況が伝えられていく中、高田さんら有志の呼び掛けで始まりました。著名人に福島県伝統の民芸品「おきあがりこぼし」の絵付けをしてもらう企画を端緒に、絵付けワークショップなどのイベントや交流を通じて、応援や連帯の気持ちを各地へリレーしていくアート活動となっています。

 スペインやイタリアなど海外と、国内では広島、東京、長崎会場を経て、漫画ミュージアムでも2019年、明治大学米沢嘉博記念図書館の協力で展示を行いました。日本漫画家協会は14年以降、プロジェクトに参加しており、有志が絵付けしたこぼしを中心に、海外アーティストのものも含めて約200点をプロジェクトの歩みとともに紹介しました。羽根をつけたこぼしや、ちばてつや先生が描いた祈るこぼし、松本零士先生が絵付けした、穏やかにほほ笑む「銀河鉄道999」のメーテルなど、印象的なこぼしが勢ぞろいでした。こぼしの絵付けワークショップでは、参加者は思い思いに熱心に絵付けに取り組まれていました。

こうした漫画家の社会貢献活動を、当館でも引き続きサポートしたいと思います。

 

(学芸研究員 柴田沙良)