ひとことブログ

2022年12月22日
(420)「海峡マンガ合戦」 漫画家、実は身近な存在

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第420回

『西日本新聞』北九州版 2022年12月11日(日)朝刊 22面掲載

「海峡マンガ合戦」
漫画家、実は身近な存在

 北九州市漫画ミュージアムで開催中の「北九州国際漫画祭2022」。今回はその一企画である「海峡マンガ合戦2022」についてご紹介します

 関門海峡をのぞむ北九州の風土にちなみ、「海峡マンガ合戦」と名づけた本展は、国内最大の漫画家組織である「日本漫画家協会」に所属し、その中でも九州・中国地方を拠点に活躍する作家19名が集結して、オリジナリティ溢れる作品を発表する展覧会です。

 さて「漫画」というと一般的に、東京に本社を置く出版社が発行したり配信したりするものを想像されることが多いと思います。それにともなって、漫画家や漫画原作者も東京在住というイメージを持たれがちです。実際、通信手段が限られていた時代は、出版社がある首都に居を移す専業作家が多かったのですが、現在、地方で活動するハードルはかなり低くなりました。つまり、全国至るところに漫画家たちはいて、「海峡マンガ合戦」にはその中でも特に私たちに身近な作家が参加しているのです。

 彼らの表現方法は実に多種多様です。今回の展示作品に限っても、ストーリー漫画や4コマ漫画をはじめ、時事を扱った1コマ漫画、似顔絵、フランス語圏の漫画表現であるバンド・デシネにカラフルなイラストレーション、エッセーコミックに漫画の原作シナリオまでが「漫画」の名の下に揃いました。商業漫画誌を主戦場とする作家もいれば、新聞やタウン誌で活躍したり、自主制作で独立的に活動したりする作家もいます。

 この展覧会では、身近な作家の存在を通して、漫画表現の広大さを実感していただけることでしょう。

(学芸員 石井茜)

=MEMO=
企画展「北九州国際漫画祭2022」は2023年1月22日まで開催中!