北九州漫画ミュージアム

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2023年07月17日
(448)八幡西区出身の作家・千代 吸血鬼テーマに最新作

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★
連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第448回
『西日本新聞』北九州版 2023年7月16日(日)朝刊 16面掲載
八幡西区出身の作家 千代
吸血鬼テーマに最新作

 北九州にゆかりがある作家・千代(ちよ)先生の最新作『ドラQ(講談社)』の1巻が今月6日に発売されました。

 『ドラQ』は、おきてを守り、吸血鬼という正体を隠しながら女子高生として人間界で暮らす黒崎アメリを主人公とした作品。現在、週刊誌『ヤングマガジン』にて連載中です。

 吸血鬼であることを隠すため、「接触禁止」や「運動禁止」など、5つのおきてを守っていたアメリは、けんかばかりしているクラスメイトの春木豪(通称「パコ」)に恋心を抱いていました。ある日、おきての1つである「恋愛禁止」を破り、パコに想いを伝えたアメリでしたが、ある事件をきっかけに吸血鬼だということがバレてしまい…。

 千代先生は八幡西区出身。『ヤングマガジン』への持ち込みを経て、2015年に少女とホームレスの心温まる交流を描いた『少女と銀杏』で「ちばてつや賞」優秀新人賞を受賞。18年にはいじめを題材とした『ホームルーム』を講談社のウェブコミックサイト『コミックDAYS』で連載し、その後、実写ドラマ化もされ人気を博しました。

 写実的な絵柄で、艶っぽく美しく描かれる一方、陰影によって吸血鬼の気味の悪さが表現されています。ただ、ゾッとする場面なのに、独特な言葉選びや予想外の展開によって、クスッと笑わせてくる…。千代先生の作品の魅力は、読者の想像や期待をはるかに超えてくるストーリー展開にあります。最後の1ページまで目が離せない、予測不可能な展開に圧倒されること間違いなしです!

 吸血鬼と人間。種族の違う二人は果たして結ばれることはあるのでしょうか。予測のつかないアメリとパコの禁断の恋に、ご注目ください!

(図書担当 原田佳織)

=Links=

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◆『ヤングマガジン』公式サイト(講談社)