2025年10月03日
(559)閲覧ゾーンに特集コーナー開設 漫画で防災を学ぼう
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連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第559回
『西日本新聞』北九州版 2025年9月28日(日)朝刊 14面掲載
閲覧ゾーンに特集コーナー開設
漫画で防災を学ぼう
日本は、外国に比べて自然災害が発生しやすい国土であり、近年も台風や大雨、地震など、さまざまな災害が全国各地に被害をもたらしています。災害は、いつどこで起きるか分かりません。もし自分が遭遇したら? 災害について知り、備えることは自分や大切な人の命を守るために必要なことです。その備えの第一歩として、防災をテーマにした漫画を読んでみてはいかがでしょうか。
『め組の大吾 救国のオレンジ』(曽田正人、冨山玖呂/講談社)は、若き消防士が火事や災害の現場で人命救助を行う姿を描いた物語。臨場感あふれる救助活動や災害に遭遇した人々の命を巡るやりとりなどが丁寧に描かれています。また、フィクションでありながら、描かれている災害はどれも現実に起こり得ることばかり。防災意識を高める重要性について改めて気付かされる作品です。
「科学漫画サバイバル」シリーズ(朝日新聞出版)は、冒険を通して、科学や理科の知識を学べる作品。関連シリーズを合わせると既刊100巻を超える、子どもたちに人気の学習漫画です。台風や火災などの自然災害も取り扱っており、手に汗握る展開に引き込まれながらも、避難や救助に関する知識を自然と身に付けることができます。家族で読むことで、家庭の防災計画について考えるきっかけにもなります。
現在、北九州市漫画ミュージアムの閲覧ゾーンでは、「防災」に関する漫画を紹介する特集コーナーを展開中です。自身の被災体験などをつづったルポ漫画『僕と日本が震えた日』(鈴木みそ/徳間書店)や、遭難した女子高校生がサバイバル術を駆使して奮闘する『ソウナンですか?』(漫画・さがら梨々、原作・岡本健太郎/講談社)など、さまざまな作品を紹介しています。ぜひこの機会に、防災について見直してみましょう。
(図書担当・原田佳織)