2025年10月30日
          (563)魔女登場の漫画さまざま 現代が舞台の作品も
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連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第563回
『西日本新聞』北九州版 2025年10月26日(日)朝刊 16面掲載
魔女登場の漫画さまざま 現代が舞台の作品も

「魔女」と聞いて、どんな姿を思い浮かべますか?恐ろしい存在だったり、親しみのあるキャラクターだったり…。漫画の世界では、さまざまな魔女たちが描かれています。今回は、そんな魔女が登場する作品を紹介します。
『エコエコアザラク REBORN』(漫画・山田J太、原作・古賀新一/秋田書店)は、1970年代に怪奇漫画の金字塔となった『エコエコアザラク』のリブート版です。現代を舞台に、女子高生として暮らす魔女・黒井ミサが、人間の卑しい欲望や所業に対して、魔術で苛烈な因果応報を与えます。オリジナルが持っていた不気味さを受け継ぎつつ、SNSや群集心理など、現代的な恐怖を巧みに取り入れた一作です。
『シュガシュガルーン』(安野 モヨコ/講談社)は、魔界の魔女2人が女王候補として人間界に降り立ち、ハートを集めて競い合う物語。友情や初恋のときめきだけでなく、嫉妬や憎悪といった感情の揺らぎも繊細に表現されています。華やかな魔法の世界の裏にある、心の葛藤と成長を描いた作品です。
「次にくるマンガ大賞2025」コミックス部門にて第1位を受賞した『魔男(まだん)のイチ』(作画・宇佐崎しろ、原作・西修/集英社)は、女性しか魔法が扱えない世界で、唯一の「魔男」となった少年を描いた物語。魔法が「生き物」として存在し、困難な試練を乗り越えることで力を得るという、魔法と狩猟が交差する独特な世界観が魅力的です。魔女の世界に足を踏み入れた少年の行く末は?常識を覆す冒険はぜひ本編で!
ハロウィンの季節、この機会にさまざまな魔女の物語を読んでみてはいかがでしょうか。
(図書担当 原田佳織)
=MEMO=
北九州市漫画ミュージアム常設展示室「あしたのギャラリー」で開催中の「大牟田出身・古賀新一 エコエコアザラク50周年展」は11月3日(月・祝)まで。お見逃しなく!








