ひとことブログ

2021年09月23日
(359)企画展入れ替えの舞台裏 「原画」を扱う繊細な作業

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第359回

『西日本新聞』北九州版 2021年9月16日(木)朝刊 19面掲載

企画展入れ替えの舞台裏
「原画」を扱う繊細な作業

 北九州市漫画ミュージアムはただいま、18日開幕の「一条ゆかり展」の準備作業中。今回は、企画展入れ替えの舞台裏をご紹介しましょう。

 展示している「原画」、すなわち漫画原稿は、作家や出版社から借りてきたものにわれわれが「額装」をしなくてはなりません。絵の表面にガラスなどが密着せず、かつ、中で折れ曲がったりしないよう、「マット」と呼ばれる厚手の紙製ボードに原画を挟み込み、マットごと額に入れます。マットには、絵の大きさに合わせた窓をあらかじめ開けておき、絵の外側の余白部分を押さえつけて固定するわけです。この窓は断面が斜めになるよう切るのが通例で、専用の工具と特殊な技術が必要なため、当館では専門の業者に依頼しています。

 前の展示作品を額から出してマットを外す作業も、次の展示作品の額装も、それぞれ数百枚と膨大です。貴重な原画を扱う繊細な作業なので、専門業者の力を借りつつ、学芸員自身が取り組まねばなりません。学芸員の仕事の中で最も神経を使う部分です。

 並行して展示壁の立て替えも行います。壁には、施工業者がベニヤ板などでくみ上げた「仮設壁」と、天井のレールからぶら下げ、スライドさせて使う「可動壁」があります。展覧会の構成は毎回異なりますから、会場のレイアウトも一新。いったん全てを解体・収納して空っぽにして、もう一度壁を立てるのです。立てた壁に数百枚の額をつる作業は、これも専門的な業者の力を借ります。

 開幕まであと少し。皆さまのお越しをお待ちしております!

(専門研究員 表智之)