ひとことブログ

2022年06月09日
(393)複雑さを漫画で軽快に「わかりやすい北九州市の財政」

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第393

『西日本新聞』北九州版 2022年6月5日(日)朝刊 14面掲載

複雑さを漫画で軽快に「わかりやすい北九州市の財政」

 自分が住んでいる地域の自治体が、どんな事業にどれくらいお金を使っていて、またその財源はどうやって確保されているのか、知っていますか?政府や自治体による経済活動を「財政」といいますが、市民生活と直結する重要なお金の動きでありつつも、企業と異なる複雑な構造から、とっつきにくい印象を持たれがちです。

 北九州市はこの「何となく難しそう…」な財政状況について、毎年恒例で『わかりやすい北九州市の財政』というグラフを多用した冊子を作り、情報発信に努めてきました。「更に読みやすい、わかりやすい情報発信を」との思いから、2021年度版からは従来のグラフ・解説に加え、誌面に漫画を導入。担当したのは、北九州市出身・在住の気鋭の漫画家・三崎てるひこさんです。

 キレのあるギャグとユルい雰囲気が持ち味で、この冊子でも、市財政の基本や問題点、将来的な展望までを、ユルいキャラクターたちが繰り広げる軽快なギャグとともに頭に叩き込んでくれます。

 市政の中でも特にシビアな話題「財政」を面白おかしくギャグにする大胆さの一方で、複雑な情報を整理して伝える丁寧な構成も光る本作。自然に内容を理解でき、肩の力を抜いて楽しめる、文字通り「わかりやすい」読み物になっています。漫画というメディアが元々持つ、わかりやすく、親しみやすく伝える力を大いに利用した好事例と言えるでしょう。
知っておきたい、だけど触れるのに躊躇してしまう事柄は世の中にたくさんありますが、漫画を足掛かりに一歩近づいてみるのはいかがでしょうか?

(学芸員 石井茜)

 

【メモ】
本作は北九州市のWEBサイトで全文公開中。本作を取り上げた展覧会「地域の情報発信と漫画」を北九州市漫画ミュージアム6階あしたのギャラリーで6月26日(日)まで開催。