北九州漫画ミュージアム

ひとことブログ

2022年06月15日
(394)アニメキャラのお守りなど 一宮神社で授与中

★過去記事のアーカイブ掲載になります。各種情報は新聞掲載時点のものです。★

連載コラム『出会い 探検 漫画ミュージアム』第394回

『西日本新聞』北九州版 2022年6月12日(日)朝刊 18面掲載

アニメキャラのお守りなど
一宮神社で授与中

 マンガやアニメはインドアで楽しむものと思いがちですが、作品の舞台などゆかりの場所を訪ね歩くアウトドアな楽しみ方も増えています。

 元々は、作中に描かれた風景を手掛かりに、モデルとなった実在のスポットをファンが探し当てる自然発生的な遊びでしたが、意外な地域振興につながる可能性から、地元の自治体などが参画する例も増えています。

 これらの現象を、しゃれっ気を込めて「聖地巡礼」と呼びます。お伊勢参りや英彦山参り、「御朱印集め」など、伝統的な信仰活動になぞらえたものです。作品への愛情の証として「聖地」へはるばる足を運ぶその熱意は、たしかに相通ずるものがありますね。

 神社仏閣とアニメのコラボレーション企画も増えています。北九州市でも一宮神社(八幡西区)が、映画もヒット中の人気作品「五等分の花嫁」(原作・春場ねぎ)をあしらったお守りや御朱印帳の授与を、期間限定で始めました。全国5つの神社仏閣で実施され、九州では一宮神社のみとのこと。

 「五等分の花嫁」は、親の借金で苦学する成績優秀な男子高校生が、五つ子の女子高校生の家庭教師として奮闘する物語。5人のうち誰か一人と将来結婚することが最初に明かされるため、読者は「花嫁」をあれこれ推理しつつ、思春期の揺れ動く気持ちに心地よく翻弄されるのです。

 一宮神社は作品の舞台ではないのですが、人と人が出会い、縁を結んで、心を近づけていく過程が本作の魅力。ファンの心にひときわ染み入る「巡礼」になることでしょう。

(専門研究員 表智之)

=LINK=
「五等分の花嫁∬ 五等分のお祈り」公式サイト

一宮神社(八幡西区)公式インスタグラム